★12月「大津・本丸句会」(第135回)
2023(令和5)年12月19日(火)
☆ 田島和生主宰 後日選 (◎印 特選)
◎月光や裸木越しに瀬田の橋 山田流水
◎眼前に樺太見ゆる小春風 小林佳月
◎時雨るるや湖北の空の雲厚き 小林佳月
観音の手に薬壺冬麗 阪本節子
白雲を抜けヘリコプター冬の晴 熊村あけみ
グランドへ弾むペダルや息白し 井上美恵子
薄日差し木の葉時雨の一頻り 一村葵生
寺域より昇る白煙夕焚火 三雲宏一
行く車数珠生りとなり年の暮 三雲宏一
茶の花や近江なまりの老和尚 向平まゆみ
陽の中に光る芒の巻き穂かな 一村葵生
北風や知らぬ同士の露天風呂 山田流水
悴みて悩むてにをは五七五 小林佳月
コンビニの無き地に暮らし日向ぼこ 松岡和子
霜の夜出展に書く墨匂ふ 青木陽子
映りたる冬空深き潦(にはたずみ) 一村葵生
単身の父より文やクリスマス 前田かよ子
生垣の何か啄む冬の鳥 熊村あけみ
橋脚の朽ちしままなり川涸るる 青木陽子
素振りして帽子飛ばせる小春かな 一村葵生
金次郎像へひとひら枯葉舞ふ 松岡和子
三歳は三歳の音落葉踏む 青木陽子
松ヶ崎疏水(京都市左京区)【撮影:北嶋八重さん】