「京都あけぼの句会」(第28回)
☆4月14日(日)同志社新島会館において「京都あけぼの句会」が開かれました。1人の投句は7句、互選も7句でした。
☆主宰の一句
よく嚙みて酒もよく嚙み若竹煮 田島和生
(よくかみてさけもよくかみわかたけに)
今回も美味しそうな一句。リズムも良く、「よく嚙み」のリフレインで美味しさも歯触りも生き生きと伝わってくる。今が旬の「新若布」と「筍」。その二つの旨さが最もよく引き出されるのが「若竹煮」。新若布の柔らかさと筍のしゃきしゃきした歯応えが絶妙に相まって・・・たまらない!また「よく噛む」ことで、舌の根にはいつまでも旨みが消えない。「よく噛む」効果は、脳内ヒスタミンを増やし、交感神経を刺激、ダイエット効果が高いという話。さらには、脳への刺激が増すので頭の働きも良くなるとか。今夜から私も、「酒もよく嚙み」味わってみよう。
主宰の今回の美味俳句をもう一句
「飯蛸は小鉢の底に箸休め」
田島和生主宰選(◎印特選)
◎出土せし仏頭飾る花の冷 小谷廣子
◎米櫃を直し終へたる日永かな 橋本すみれ
◎風に乗り改札口へ散る桜 大前美智子
寝かされし藍玉匂ふ花の雨 小谷廣子
桜まじカーテン揺るる朝餉かな 橋本すみれ
ふくふくと花をつけたる里桜 橋本すみれ
大原の荒ぶる藪に初音かな 安藤えいじ
自動ドア開いてロビーへ落花かな 阪上 元
桜蘂降るや拘置所鉄格子 新谷亜紀
朧夜の沖に尾を引く汽笛かな 渥美 保
潮引けば珊瑚のかけら鳥雲に 小谷廣子
われ勝ちにベンチをめざす花遍路 阪上 元
夜桜のくっきり映ゆる水面かな 橋本すみれ
車椅子砂利に食ひこみ春うらら 阪上 元
咲き満ちて池へしだるる糸桜 北嶋八重
夜桜のきざはし登る札所かな 橋本すみれ
風雨過ぎなほ花満つる大樹かな 渥美 保
高松塚裏の巣籠もり大鴉 小谷廣子
遠近の山に桜や九十九折 北嶋八重
沈丁の香にまとはるる躙り口 安藤えいじ
春昼や九九を覚ゆる子らの声 渥美 保
花冷えや腰をかばへるコルセット 北嶋八重
永き日の畳目かぞへふて寝の子 新谷亜紀
産土の社の庭の野蒜ひき 渥美 保
花を浴び花を散らせて鳥立てり 新谷亜紀
京都府立植物園