「関西句会」(第130回)
☆7月28日(日)アネックス・パル法円坂において「関西句会」が開かれました。1人の投句は5句、互選は7句でした。
☆主宰の一句
一指まだ触れざる桃の生毛かな 田島和生
(いつしまだふれざるもものうぶげかな)
一点主義の凝視の一句。食する前、すぐに触れるのが惜しいほど新鮮な桃が目の前にある。きっと白桃だと思う。うすい銀色の生毛が隙間なく生えている。薄皮を剥くと、たっぷりの果汁が指にしたたり果肉が現れる。味は実に甘味。「一指まだ触れざる桃」なのに、目の前の桃のデリケートな触感、食感、香り、味の良さが生き生きと伝わってくる。「生毛」とされたことで、桃の内面から放たれる生命力をも感じる。次の一句も同じ。いつまでも若々しく瑞々しい感性をお持ちの主宰にあやかりたい。
「熟れ桃のくびれも箱に息づける」
◇田島和生主宰選(◎印特選)
◎能面の朱唇黒ずむ大暑かな 中野はつえ
◎晩夏光砂の音なき砂時計 伊藤由紀子
◎沖波に夕日落ちゆく大暑かな 松村節子
電柱の影一本の大暑かな 鈴木逵子
投票に初蝉の下通り抜け 松村節子
青田波真中に石の鳥居かな 古澤厚子
睡蓮や口開けて鯉あらはるる 松村節子
街灼けて軒に杉玉褪せゐたり 大西トヨ子
風鈴や犬仰向けに寝てをりぬ 古澤厚子
肩幅ほど校門開き夏休み 新谷亜紀
六甲の裏山けぶる合歓の花 鈴木逵子
三伏や棕櫚の葉擦れの音高し 中野はつえ
風紋に潮風奔る晩夏かな 大西トヨ子
足場組み漆掻きゐる丹波かな 小谷廣子
浜の宿アロハシャツ着て迎へられ 北嶋八重
原爆の語り部汗のしたたれり 伊藤由紀子
初蝉や桜古木の黒き幹 柴田恵美子
大屋根にからすが騒ぐ半夏生 松村節子
わき出づる鴉の群れや夕焼空 古澤厚子
平癒せし足を浸すや禊川 北嶋八重
☆ 「関西句会」ご案内
日 時 8月25日(日) 午後1時半〜
会 場 アネックス・パル法円坂 8号室
日 時 9月22日(日) 午後1時半〜
会場 アネックス・パル法円坂 8号室
下鴨神社「御手洗会」 【上下とも撮影は北嶋八重さん】
「この御手洗(みたらし)池の水、とても冷たくて、何よりの暑気払いになりました。主宰をはじめ、句友の皆さまの夏祓のお詣りもいたしましたので、お元気でお過ごしいただけると思います。」(八重さん言)
八重さん、ありがとうございました。
「夏祓のお詣り」のおかげで、この猛暑の夏も乗り切れそうです!