京都あけぼの句会(第42回)
☆7月13日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
1人の投句は7句、互選も7句でした。
☆主宰の一句
梅雨荒れや韓の国より波頭 田島和生
(つゆあれやからのくによりなみがしら)
今年の梅雨は、台風も重なり風雨が激しく日本海もかなり荒れたようだ。その、大きくうねり寄せる波の先は朝鮮半島。主宰は実景を詠まれたそうだが、不穏な日朝関係をほうふつさせる社会派の一句ともとれる。今の時代を捉えて実にタイムリー。もう一句。
「向日葵や雲居に浮いて遠伊吹」
◇田島和生主宰 選(◎印特選)
◎産卵の鵜のはればれと羽搏けり 小谷廣子
◎守宮ゐて刀の光る飾り窓 安藤えいじ
◎泥煙あげてざりがに顔出せり 大前美智子
鷺の首伸びて縮んで青田波 新谷亜紀
梅雨の傘一つに三人下校の子 大前美智子
橋涼み犬抱く人とすれ違ひ 新谷亜紀
シェシェシェシェシェ熊蝉の鳴く雨上り 橋本すみれ
老松の根元に鳴りて清水かな 小谷廣子
鯉寄りて虎杖の花零れけり 阪上 元
首擡げ烏歩めり木下闇 安藤えいじ
釣忍山ふところの庵かな 小谷廣子
坪庭の空へ玉解く芭蕉かな 大前美智子
炎天下上目遣ひのブルドッグ 新谷亜紀
大夕立大寺の屋根を流れけり 居相みな子
反り橋の古りし木目や杜若 新谷亜紀
蝸牛宙をまさぐる目玉かな 阪上 元
大蟻の三匹よぎる石畳 橋本すみれ
蓮の葉の重なりを抜け花開く 大前美智子
貼りついて守宮の五指のたしかさよ 阪上 元
山寺のかそけき灯り青しぐれ 小谷廣子
親鸞の幼なの像や若葉風 橋本すみれ
☆「京都あけぼの句会」ご案内
日 時 平成26年 8月 9日(土) 午後2時〜
9月14日(日) 午後2時〜
10月12日(日) 午後2時〜
会 場 東山いきいきセンタ― 1階 第2会議室
北嶋八重さんから今年の「祇園祭」の写真と解説が送られてきました。
以下にご紹介します。
宵山の午後、「菊水鉾」(室町四条上る)を訪れました。
「菊水鉾」
山中で甘菊の葉の滴る露を飲んで700年の長寿を保った中国の説話を元に作られた謡曲「菊慈童」に取材された鉾。天明の大火、元治の大火で二度焼失したが、昭和28年再興され88年途絶えていた新しい菊水鉾の巡行が、当時の話題となった。
因みに、同じく二度の大火により焼失したため150年間休み鉾であった「大船鉾」が、今年の「後祭」で復帰した。
今年から50年ぶりに、23基が17日( 前祭)、10基が24日(後祭)に山鉾巡行する形に戻った。
「稚児人形(菊丸)」
菊水鉾では茶室に設えた町会所で茶会が催され、猛暑に一服の涼をもてなされる。その茶席に宵山飾として置かれ、巡行の朝、鉾に飾られる。
(以上、北嶋八重さん記)
菊水鉾
鉾の上
鉾上で祇園囃子演奏中
稚児人形
今年の祇園祭は、伝統の姿を取り戻し、少し趣が違っていたとか。
来年はぜひ足を運びたいです。
八重さん、貴重な風景をありがとうございました!