京都あけぼの句会(第58回)
☆2月14日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
1人の投句は5句、互選も7句でした。
☆主宰の一句
寒禽の糞に真珠のやうなもの 田島和生
(かんきんのまりにしんじゅのやうなもの)
「たしかに鳥の糞に白い物というか青白い物が混じっていることがあるが、こんなに踏み込んで観察したことがない」という阪上元さんの評。なるほどと思う。寒の頃、小さく光る物があれば、ピリッと澄んだ空気の中ではさらなる光を放つことだろう。主宰はそれを鳥の糞の中に見つけられた。とかく醜い物とされがちな「糞」と高貴な「真珠」という取り合わせの妙もある。もう一句「雄鶏のまはり雌鶏草萌ゆる」
◇田島和生主宰 選(◎印特選)
◎末(す)黒野の風に吹かるる舫ひ舟 小谷廣子
◎金欄のほほける鬼に豆を撒き 林 杉子
◎三門の闇の玉眼冴返る 新谷亜紀
今日少し川水青く春近し 今井淨子
盛上げし畝の形に春の霜 新谷亜紀
物差しに残る母の名針供養 田子カンナ
鮟鱇のよだれの中に小海老かな 阪上 元
皮だけとなりし幹にも梅の花 大前美智子
思惟仏の指しなやかや春の燭 北嶋八重
禅寺の小さき玉座や春の闇 新谷亜紀
立春や初の寝返り打つ赤子 安藤えいじ
犬逝きて歩む一人の冬木径 田子カンナ
玉砂利へにぶき音して落椿 居相みな子
石投げの子らの歓声水温む 今井淨子
匂ひ立つレモンバームや寒の明 安藤えいじ
ちらほらと猿ゐて山の眠りけり 阪上 元
十二神将仰ぎてゆけば余寒かな 北嶋八重
ペンギンの向き向きに立つ寒さかな 阪上 元
寒梅の紅白揃ふ矢大臣 林 杉子
雲雀野へ大扉きしませ朱雀門 小谷廣子
立春大吉赤鬼の護符ひるがへり 新谷亜紀
☆「京都あけぼの句会」ご案内 午後2時開始
2月14日(日) 東山いきいきセンター 101号室
3月13日(日) 東山いきいきセンター 101号室
4月10日(日) 東山いきいきセンター 101号室
北嶋八重さんが、「日向大神宮」の写真と解説文をお送りくださいました。
<日向大神宮> 京都市山科区日ノ岡一切経谷町 地下鉄「蹴上」駅から徒歩15分
近くには観光名所の南禅寺や蹴上インクラインなどがありますが、三条通りを山の方へ登って行かなければならないため、観光客の少ない‘山の中の聖地・パワースポット’として密かな注目を浴びています。また‘隠れた紅葉の名所’としても知られています。
平安遷都以前の5世紀頃、第23代顕宗天皇(けんそうてんのう)が、日向国の高千穂峰の神霊を移して創建したのが始まりと言われています。社殿は神明造りで、内宮と外宮に分かれ、内宮には“天照大神”が祀られているなど、伊勢神宮との共通点が多いことから「京のお伊勢さん」と言われてきました。
節分祭 2月3日
節分の日に境内にある「天の岩戸」をくぐり抜けると罪穢れが払い清められ、福を招くといわれ、「ぬけ参り」と呼ばれています。幽かな灯明を頼りに岩をくぐり抜けると山の冷気の中、清々しい気分になりました。夕方、諸祈願成就祈祷の献火神事、古札の焼納が行われた後、厄除豆が配られ、例年とは趣の異なる雰囲気の節分祭を味わうことができました。
(北嶋八重さん記)
一の鳥居
境 内
内 宮
天の岩戸
献火の神事
古式ゆかしく厳粛な雰囲気の「節分祭」なのですね。
八重さん、貴重な「パワースポット」のご紹介、
ありがとうございました!