京都あけぼの句会(6月)

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      ☆6月12日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
         1人の投句は5句、互選は7句でした。
     

     酒酌めと蓋をことこと若竹煮       田島和生
     
     夕顔へ雨後のみづうみ濃く匂ふ    田島和生
     

    ◇ 田島和生主宰 選  (◎は特選)

    ◎梟の遠のく声や栗の花          林 杉子
     
    ◎一喝の閻王の口緑さす          小谷廣子
     
    ◎山桜桃(ゆすらうめ)幼なの言葉一つふえ  田子カンナ

    今朝も又戸口に張るや蜘蛛の糸    居相みな子
    隠元の廟は六角沙羅の花         小谷廣子
    蓮の葉を荒々ゆらす鯉太し        居相みな子
    著我の花雨の別れとなる門出      田子カンナ
    鉢に咲き名前それぞれ蓮の花       居相みな子
    マンドリントレモロの音や聖五月     北嶋八重
    黄菖蒲に舳近寄せ屋形船         林 杉子
    産みたての卵のやうや枇杷届く      青木陽子
    青蛙八手にすくむ日暮かな        阪上 元
    燈台に灯のともりそむ青岬        小谷廣子
    百年の町屋に住みて梅雨灯し      今井淨子
    寺の門越えて飛び立つ夏の鴨      大前美智子
    裏木戸のぎしぎしと鳴る梅雨入かな   北嶋八重
    掘超えて竹の皮散る寺の道        大前美智子
    蟇鳴いてやしろの闇深し          阪上 元
    松風に煙のにほひ薪能           北嶋八重
    錆びてなほ梔子の花芳しき        安藤えいじ
      梅田スカイビル
    パノラマの空中庭園月涼し         新谷亜紀
     

    ☆「京都あけぼの句会」のご案内 いずれも午後2時開始
     
       7月10日(日) 東山いきいきセンター  101号室

       9月11日 (日) 東山いきいきセンター 101号室
     
     
    祝「あけぼの句会」60回記念
     
    句会後は、場所を先斗町の料亭に移し、「あけぼの句会 60回記念お祝いの会」を
    行いました。

    あけぼの句会60回記念の会.JPG

     
    ◇ 即興句会
     
     ゆっくり和やかな会食の後は、田島主宰ご提案による「即興句会」でした。
     少し緊張しながら季寄せを繰る人、ほろ酔い気分のまま余裕で句を作る人、それぞれ
    2句ずつ投句しました。
     

    三味の音や灯(あかり)涼しき先斗町 田島和生
     
    梅雨灯し宴の果てて下戸上戸     田島和生
     
    たそがれて水の匂へる夏座敷     小谷廣子
    汁椀の蓋吸ひつくや夏料理       阪上 元
    片寄せて橋渡りたり梅雨灯し      北嶋八重
    大橋を行き交ふ人や梅雨の町     安藤えいじ
    夏帽をとりて宴席定まりぬ       一村葵生
    夕闇の迫る鴨川青柳          大前美智子
    南座にあかりの灯り夏夕べ      居相みな子
    鴨川に灯火(ともしび)ゆるる川涼し 林 杉子
    夏霧の古都の山なみ暮そむる    田子カンナ
    鳶の舞川面に低し梅雨ぐもり     今井淨子
    片蔭に車を寄せて小商ひ       青木陽子
    祝杯に夏山青を深めをり        新谷亜紀

     
    akebono.JPG
     「即興句会」風景
     
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     鴨川の納涼床
    (手前左側は、お祝い会会場となった先斗町の「いづもや」さん)
     
    以上、写真撮影はいずれも北嶋八重さんです。
     
    60回という貴重な節目。これを機にこれからも切磋琢磨しながら、ますます楽しく、成長する「あけぼの句会」にしていきたいと思います。
     

    「京都吟行句会報」(第87号)

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       京都吟行句会
       
         ☆6月6日(月)「京都吟行句会」が行われました。吟行地は黄檗山萬福寺。
             小谷廣子さんから句会報をいただいたのでご紹介します。
       

      ★ 田島和生主宰 後日選 (◎は特選)
       
       ◎ 山門を入れば散り飛ぶ青松葉          安藤えいじ
       
       ◎ 勾欄(こうらん)の卍字くづしへ山の蟻  小谷廣子
        
        法堂の丸窓に見る松涼し         藤田侃也
        菩提樹の幹に花咲く瘤連ね       居相みな子
        抽んでて蕾二輪や鉢の蓮        大前美智子
        梅雨晴の光を返し布袋像         熊村あけみ
        樫の木に登り枝打つ萬福寺       大前美智子
        大寺の開 (かいぱん)かすめ夏つばめ 小谷廣子
        境内のところどころに蓮の揺れ     安藤えいじ
        扁額の隠元の書や緑さす        小谷廣子
        隠元の廟や老鶯鳴きつづけ       居相みな子
        蓮の葉の揺れて水玉ことにゆれ     一村葵生
        そよ風の抜けて涼しき大伽藍      藤田侃也
        開(かいぱん)の鱗の欠けて夏の風 居相みな子
        山の日にきらきら光るあめんばう    柴田恵美子
        扁額の剥落しるき沙羅の花       田子カンナ
        夏山を背に森閑と萬福寺         藤田侃也
        本堂へ参道真つ直ぐ桜の実        藤田侃也
        老鶯の鳴ける寿塔の背山かな      大前美智子
        菩提樹の花の盛りの香りかな      柴田恵美子
            滑らかに老鶯の声放ちけり       一村葵生
        うす暗き堂に尊者や若葉冷       熊村あけみ
        禅僧の言の葉聞きて涼しさよ      柴田恵美子
        切株に育つ実生の青楓         居相みな子
        梅雨旱うろこの欠けし大魚板      柴田恵美子
        回廊へ隠元豆の蔓の伸び         沢田清子
        大いなる布袋の腹へ緑さす       小谷廣子
        南天の花のこぼれて羽音かな      熊村あけみ
        
       
      【次回京都吟行句会予定】

        日  時       7月4日(月) 10時半
       
        集合地   近江神宮 楼門前
          
        吟行地   近江神宮界隈     

       
      北嶋八重さんが、梅雨晴間の萬福寺の写真をお送りくださいました。
      以下にご紹介します。

       
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       萬福寺三門
       
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       開山堂
       
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       天王殿
       
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       回 廊
       
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       卍くずしの勾欄
       
      「卍くずし」という名前も然ることながら、デザインが何とも奇抜で面白い!
       
      さすが、中国出身の隠元さんのお寺ですね。
       
      八重さん、ありがとうございました。

       

      6月4日(土)「雉 明石句会」

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        ☆6月4日(土)明石生涯学習センターにおいて「明石句会」が行われました。
           古澤厚子さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。

         
        ☆中野はつえ 特選
            
         木道はだらだら坂や浜昼顔     大西トヨ子

         7句投句7句互選
        梅雨兆す砂丘の砂の湿りかな    中野はつえ
        滴りの閑けさに在り磨崖仏      中野はつえ
        老鶯や言の葉やはき坊の妻     柴田恵美子
        蟻地獄閻魔のにらむ堂の下     柴田恵美子
        桐の花巽櫓の石垣に         前島ゆき
        杣道を登りつめきて岩清水      前島ゆき
        白蓮へ四方より注ぐ山の水      古澤厚子
        三川を見晴らす山のテラスかな   古澤厚子
        露座仏の在す参道夏の山       藤原幸子
        谷跨ぎ風に乗りたる鯉幟       藤原幸子
        浦風にきりきりねぢれ鯉幟       大西トヨ子
        人影の蟻のごとしや大砂丘      大西トヨ子
        ゆうゆうと田中に泳ぐ鯉のぼり    橘 なつみ
        雨ごとに夏草の丈のびてゆく     橘 なつみ

         
        ☆次回「明石句会」のご案内

              日 時・・7月2日 午後2時より 

              場 所・・明石生涯学習センター

         
        古澤厚子さんが、六甲山西麓のしあわせの村 日本庭園の里の写真とコメントをお送りくださいました。
        しあわせの村 概要
         1989年神戸市の市政100周年記念事業としてオープンされました。あふれる緑に包まれ、赤い屋根と白い壁の建物が南ヨーロッパを思わせます。三宮から車で25分の場所にあり子供からおとなまで、お年寄りも障害のある人も誰もが楽しめる総合福祉ゾーンです。205ヘクタールの広大な敷地には自然を十分に生かした福祉施設、運動広場、キャンプ場、野外スポーツ施設、宿泊施設、温泉施設9ホールのゴルフ場等が点在しています。日本庭園には桜、菖蒲、藤、等が咲き四季折々楽しめます。 (古澤厚子さん 記)
         
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        異国情緒も日本の四季も楽しめるのが魅力的ですね。

        さすが、国際都市神戸 💛

        厚子さん、ありがとうございました!
         

        主宰の英語俳句 スペシャル版(6月)

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           ☆ 久しぶりに 主宰の英語俳句をご紹介します。
               今年の「俳人協会カレンダー」に掲載され、俳人協会発行「俳句文学館」
           (6月号)にも鑑賞文が掲載された話題の一句です。
           

          ☆主宰の6月の英語俳句

           
           六月の浪や沖より手をつなぎ      田島和生
          (ろくがつのなみやおきよりてをつなぎ)

          ☆ An English haiku by our leader on June:
           
                June waves ―
                Rolling onto the shore from afar
                While holding hands
                 (Tajima Kazuo)
           

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          平成28年 俳人協会「俳句カレンダー」(6月)より

           

          「大津・本丸句会」(第45回)

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             ☆5月24日(火)「大津・本丸句会」が開かれました。
                一村葵生さんから「句会だより」が送られてきましたのでご報告します。
             
             
            父母の世の石臼にちり柿の花       田島和生
             
            きらめきは歓喜にも似て稚鮎はね     田島和生
             
             
            ☆ 田島和生主宰 選 (◎印は特選)
             
            ◎ 水馬水に跳ねつつ走りけり        一村葵生
             
            ◎ 一舟の過ぐや花藻の立ちゆらぎ      西村千鶴子
              
            ◎ 若葉冷え喪服の胸の黒真珠        北嶋八重
             
               スプーンより蜂蜜たらり夏来たる     安藤照枝
             到来の新茶のしづく香りくる         竹内悦子
             浚渫機青水無月の川の中         熊村あけみ
             葉桜やほのかに匂ふさくらの香      一村葵生
             道岐れ夕闇せまる山法師         北嶋八重
             石庭に遊子黙して若葉風          山本愛次
             枇杷の実の一つひとつに海の照り    安藤照枝
             風薫る幾星霜の大伽藍          沢田清子
             後先に行く自転車や初燕         熊村あけみ
             鞍飾りしたる神馬へ新樹光        北嶋八重
             賑々しローカル駅のつばくらめ      沢田清子
             花蜜柑島に匂ひて夜風かな       安藤照枝
             短夜や止り木に聴く弾き語り       西村千鶴子
             葉桜の中や土鳩のこゑ籠り        西村千鶴子
             露座佛の福耳伝ふ緑雨かな       西村千鶴子
             前髪を五月の風の吹き分くる       筧 ゆき
             水に映ゆるものみな揺らぎ早苗月    熊村あけみ
             安曇川の底みせてゐる竹の秋      馬場千香子
             頭上注意駅舎の壁に燕の子        安藤えいじ  
              
             
            ☆大津本丸句会のご案内  10時30分〜13時00分        
             
             6月28日(火) 大津生涯学習センター  301号室
             7月26日(火) 大津生涯学習センター  301号室
             8月30日(火) 大津生涯学習センター  301号室

             一村葵生さんが、今回はお住いのお近くの森の公園で撮られた、珍しい蛾の写真をお送りくださいました。
             
            ga2.JPG


            ga1.JPG

            よく、ここまで至近距離で撮られましたね。

            彼ら、完全に葉っぱに成りすましていますね(^-^;

            葵生さん、本当に珍しい写真をありがとうございました!
             

            「関西句会」(第163回)

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               関西句会(5月)
               
               ☆5月22日(日)アネックスパル法円坂において「関西句会」が開かれました。
                  1人の投句は5句、互選は7句でした。

              ☆主宰の一句

                 甲青き船虫が散り旅の靴                   田島 和生 
              (こうあをきふなむしがちりたびのくつ)

               
               旅先で海岸に立ち寄られたのだろう。岩肌の多い日本海かもしれない。しばし海を眺め、ふと足元に目を移された。と、あっという間に船虫の群れが現れ、いっせいに靴の周りに散って消えた。白い波は岩を砕き、青い船虫は素早く散る。色鮮やかで躍動感ある一瞬!もう一句「青鷺のおのが影踏み田を歩む」 
               
               
              ◇ 田島和生主宰 選  (◎は特選)
               
                ◎初蝉や淵あをあをと離宮跡      小谷廣子
               
                ◎緑蔭に瞳濡れゐる神馬かな      新谷亜紀
               
                ◎梁太き誓子旧居や立葵         新谷亜紀

                奉納の百の酒樽椎若葉          大西トヨ子
                漆黒のおすべらかしや若葉風      新谷亜紀
                朝戸風蜜柑の花の匂ひけり       井上基子
                若葉風入れ玉眼の白拍子        小谷廣子
                のどかさや掛時計鳴る母の家      伊藤由紀子
                鶏小屋はからつぽ茅花流しかな    小谷廣子
                花蜜柑ぽんぽん船の音響く       伊藤由紀子
                柿の花こぼるる音や夕まぐれ      中野はつえ
                葉桜の陰の濃かりき女坂         藤田侃也
                母が家はがらんだうなり竹の秋     伊藤由紀子
                胸の汗ひかるサンバのリズムかな   井浪千明
                薫風の道まつすぐに法隆寺       北嶋八重
                足元へ森の風来る賀茂祭        新谷亜紀
                福相の女神の美しき緑さす       柴田恵美子
                音もなく爆ぜる篝火袴能          中野はつえ
                岩肌を跳ね落つる水青葉冷      大西トヨ子
                深山に釣人ひとり青葉風         原 万代
                薄暑光火の見櫓に黒き錆        原 万代
                花菜風園児の大き声とどく        伊藤由紀子
                参道のだらだら坂の薄暑かな      井浪千明
                                 

              ☆「関西句会」のご案内 

                  6月26日(日)1時半〜於:「アネックスパル法円坂」3F
                
                7月24日 (日)1時半〜於:「アネックスパル法円坂」3F

               
                北嶋八重さんが「法隆寺」の写真と解説をお送りくださいました。
                 以下にご紹介します。
              法隆寺
                創設は1400年以上前の推古 15 (607) 年。聖徳太子が開創した法隆寺は、飛鳥時代の姿を現在に伝える世界最古の木造建築として知られ、1993年に日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されました。現在、塔や金堂を中心とする西塔伽藍と夢殿を中心とした東塔伽藍に分けられています。広さ18万7千平方メートルの境内には、飛鳥時を始めとする各時代の粋を集めた建築物が軒をつらね、たくさんの宝物や国宝、重要文化財がおさめられています。
                法隆寺の国宝の中でも秘仏中の秘仏の夢殿の「救世観音像」は、全身に白い布をまかれて秘仏として開扉されずにあったのが、明治17年に初めてフェノロサと岡倉天心によって発見され、数世紀を経て再び日の目を見ることとなりました。ちょうと春の特別公開中に当たり、多くの修学旅行生が訪れていて、その合間を縫って拝観してきました。
              (北嶋八重さん 記)

              法隆寺南大門.JPG
              法隆寺南大門

              金堂・五重塔.JPG
              金堂・五重塔

              子規の句碑.JPG
              子規の句碑

              東大門.JPG
              東大門

              夢殿.JPG
              夢 殿

              鏡池.JPG
              鏡 池

              なかなか拝観できない秘仏を拝され、ご利益があるかもしれませんね。

              「救世観音像」の微笑み、私も拝みに行きたいです。

              八重さん、ありがとうございました!

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