☆3月12日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
北嶋八重さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。
★ 田島和生主宰 後日選(特選無)
風光る螇蜥止まる子の肩へ 安藤えいじ
高枝に揺れて吹かるる古巣あり 一村 葵生
出征の遺影の若き春霖雨 青木 陽子
鵯(ひよどり)の鳴いて飛び立つ落椿 居相みな子
降る雨や蕾ふくらむ沈丁花 大前美智子
草萌を飽かず啄む地鶏かな 一村 葵生
大いなる朱の楼門や春の雲 大前美智子
春驟雨男の急ぐ女坂 安藤えいじ
春宵や汀に白き嘘(うつせ)貝 中蔵みづほ
向かひ山日のよく当たり春めけり 居相みな子
池の面へ尾鰭撥ね上げ春の鯉 新谷 亜紀
山茱萸の黄や音立てて雨の降り 大前美智子
天辺の見ゆる比叡や朝霞 北嶋 八重
水底の石は七色水温む 今井 浄子
水温む水面を跳ねて羽虫飛ぶ 一村 葵生
幼子と絵本をひらく春日向 青木 陽子
雛を乗せ青き匂ひの藁の舟 小谷 廣子
前髪に春の雪つけかけ来たる 中蔵みづほ
安土への道を聞かるる四温かな 一村 葵生
一片の白雲浮きて菖蒲の芽 小谷 廣子
切口の渦のくれなゐ蘖ゆる 小谷 廣子
三更の闇やどどどと春の雷 今井 浄子
菖蒲の芽一寸ほどになりて立ち 新谷 亜紀
金色の綿毛に風や辛夷の芽 北嶋 八重
朝雲雀大極殿の空高し 小谷 廣子
鴨川の浅瀬を歩む春の鴨 大前美智子
肋骨のにぶき痛みや春寒し 北嶋 八重
葉の蔭は秘密の径や地虫出づ 安藤えいじ
四囲の山うすむらさきに笑ひけり 今井 浄子
烏一羽古巣へ枝をくはへ来し 一村 葵生
見つめたる脳の画像や春寒し 小谷 廣子
☆「京都あけぼの句会」のご案内 いずれも午後2時〜5時
4月 9日(日) 東山いきいきセンター 101号室
5月14日(日) 東山いきいきセンター 102号室
北嶋八重さんが「月ヶ瀬梅林」の写真と解説をお送りくださいました。
以下にご紹介します。
<月ヶ瀬梅林>
月ヶ瀬梅林は、奈良盆地と伊賀盆地の境に広がる大和高原の北側、京都・三重・奈良府県境付近に位置します。五月川の渓谷沿いに梅の木が広がる様から、月ヶ瀬梅渓とも呼ばれ、天下の名勝の一つとして知られています。海抜200メートルから300メートルの高原であるため、梅の開花時期は、奈良市中心部よりも半月程遅れ、満開は3月中旬から下旬となることが多いようです。
江戸時代末期、斎藤拙堂の『月瀬記勝』、頼山陽の『和州香世界』で全国に有名になり、その後、高浜虚子、種田山頭火、鈴鹿野風呂等も訪れ、俳句を詠み、水上勉は、小説『紅花物語』を著しました。訪れた3月中頃は、未だ風も冷たく梅は七分咲きでしたが、アップダウンの多い丘陵の梅見は、汗ばむほどでした。
(北嶋八重さん 記)
月ヶ瀬梅渓
寒紅梅
雄大な渓流を眺めながら梅見ができるなんて!
遠景も近景も楽しめる最高のスポットなのですね♪
八重さん、ありがとうございました!