京都あけぼの句会 第70回(4月)

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    ☆4月9日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
      以下にご報告します。
     

    ☆主宰の一句
     
     初蝶と小道に出逢ひ阿(あ)と言へり    田島 和生
     
     いつものように、ふと脇道に入られた主宰は、人家の庭からひらりと現れた初蝶に、思わず「阿」と声を出された。叙述文なら「あ」とすべきところをあえて「阿」という漢字を選び、その一瞬の少し緊張感を伴った感動を伝える。斬新で、さすが玄人の表現だ。「阿」は辞書によると、「親しみの気持ちを表して呼ぶ言葉に付く接頭辞」とある。今年初お目見えの蝶に、親しみを込めた「阿」だったのかもしれない。
     もう一句「青頸の鴨の分けゆく花筏」

    ★ 田島和生主宰 選(◎は特選)
     
    ◎畝はさみ畑打つ夫婦峡の風         林 杉子 
                       
    ◎降りたちて鷺踏んでゆく菖蒲の芽     居相 みな子
        
    ◎うすら日に潮風わたり白子干       小谷 廣子

    ◎乗つ込みの鮒の揉み合ふ泡(あぶく)かな 小谷 廣子

    ◎惜春や古墳の壁に朱雀の絵        小谷 廣子

    宵宮の太鼓の衆へ落花かな        一村 葵生 
    老幹の深き亀裂や花の雨           新谷 亜紀
    つばめ来と慶び事のやうに告ぐ     阪上 元
    鵯落とす庭の椿を掃き寄せり      大前美智子
    目借時碁盤の升目歪みたる        新谷 亜紀
    啓蟄の地に書き合へり赤子の名    小谷 廣子
    絶え間なく落花流るる高瀬川      一村 葵生
    手廂に見上ぐる花の雲まぶし      田子カンナ
    春夕焼斑鳩の塔鐘一打             田子カンナ
    黒焦げの土手に林立つくづくし     小谷 廣子
    日を返す眩しき池や百千鳥        大前美智子
    百鳥の木々に囀る羅漢道          居相みな子
    山笑ふ川面を滑る屋形船           北嶋 八重
    結上げし髪にはらりと糸桜          新谷 亜紀
    ミモザ咲き声賑やかに通学児      居相 みな子 
    一羽立ち一羽後追ふ春の鴨        居相 みな子
    初蛙昼なほ暗き濁池                 田子 カンナ
    寺裏の木の天辺や鷺交る           居相みなこ
    雨粒をつけて咲きそむ若桜         北嶋 八重
    閻王の裏に騒ぎし巣の鴉           小谷 廣子
    鳩時計ひとつ鳴きたる春の夜      新谷 亜紀
    土手崩す猪の狼藉いぬふぐり      阪上 元  
    春深し相合傘の肩の触れ           新谷 亜紀
      
     
    ☆「京都あけぼの句会」のご案内 いずれも午後2時〜5時

      5月14日(日) 東山いきいきセンター 102号室
      6月11日(日) 東山いきいきセンター 102号室
      7月 9日(日) 東山いきいきセンター 301号室
           

     北嶋八重さんが「平安神宮の紅枝垂桜」の写真と解説をお送りくださいました。
       以下にご紹介します。
    <平安神宮の紅枝垂桜>
     平安神宮神苑は、総面積約一万坪の明治時代の代表的な日本庭園です。国の名勝に指定されているこの回遊式庭園は、造園家7代目小川治兵衛等により作られ、春の枝垂桜は、初夏の杜若・花菖蒲とともに有名です。
     神苑にに足を踏み入れると、紅枝垂があでやかに咲き、池面に映えるさまは、思わず息をのむ美しさでした。雨の中でしたが、谷崎潤一郎が『細雪』の中で、「紅の雲」と表現した満開の八重紅枝垂桜を堪能してきました。
    (北嶋八重さん 記)

     
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    八重さん撮影の八重枝垂桜も最高!

    どの枝垂桜も美しく、「貴賓館」や「橋殿」に見事に映えていますね。

    八重さん、ありがとうございました!
     

    3・4月「雉 明石句会」

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      ☆古澤厚子さんから3・4月「明石句会報」が送られてきましたのでご報告します。

      ★3月 明石句会報
       
         中野はつえ 特選
       
       擦れ違ふ宿の廊下の余寒かな      藤原 幸子

       
      7句投句7句互選

      山焼きの太鼓一打にはじまれり      中野  はつえ
      逃げまはるカメラに猛る野焼けの火   中野 はつえ
      陽は居間へ深くさし込む弥生かな     柴田 恵美子
      大いなる犬の嗅をりいぬふぐり      柴田 恵美子
      街路樹の芽吹きそめたる昨日今日   前島 ゆき
      飛行機雲つき刺す様に余寒かな     前島 ゆき
      雛流す舞妓の真白きうなじかな     古澤 厚子
      新しき丸木の橋や菖蒲の芽        古澤 厚子
      田の隅の捨て菜にまざり犬ふぐり    藤原 幸子
      春炬燵昔話に花咲かせ          藤原 幸子
      甲高き鳥の鳴き声余寒かな        大西 トヨ子
      野仏を訪うて田の畦犬ふぐり       大西 トヨ子
      日を浴びてほっとする我余寒かな    橘 なつみ
      上着脱ぎ歩く畦道犬ふぐり         橘 なつみ
       

      ★ 4月 明石句会報
       
       中野はつえ特選
       
       うつすらと髭の生え初む卒業子     柴田 恵美子
       
      春の雨男同志の相合傘          中野 はつえ
      春耕の腰を夕日へ伸ばしけり      中野 はつえ
      春夕焼こごむ農婦の背を照らす     柴田 恵美子
      路地曲る闇に浮きたつ雪柳       柴田 恵美子
      店頭に色とりどりの種袋         前島 ゆき
      種袋畦はしに挿し終わりけり       前島 ゆき
      稲荷社の裏のせせらぎ芹青む     古澤 厚子
      種物屋野菜作りを講釈す        古澤 厚子
      花ことば書き添へありぬ種袋      大西 トヨ子
      長く病み霞立つ朝逝かれけり      大西 トヨ子
      春昼の鴉の落とす飯の粒        松本 節美
      春愁ややたらに続く赤信号        松本 節美
      ふと見遣る荒地の中につくづくし      橘 なつみ
      雉子鳩の雛の亡骸小雨降る       橘 なつみ
      ゆで汁の青きにみとれ花菜かな    米村  陽子
      ふたつ食べひとつを夫に桜餅      米村 陽子

       
      ☆ 次回「明石句会」のご案内
       
       5月6日 午後2時より 於:明石生涯学習センター
       

      古澤厚子さんが、本法寺と高瀬川の写真とコメントをお送りくださいました。
       
       先日同級生と本法寺の長谷川等伯の涅槃図を見に行って来ました。縦10m横6mの巨大な涅槃図は圧巻でした。 帰りに四条木屋町高瀬川沿いの満開の桜と芽柳を楽しみ春を実感した1日でした。涅槃図は撮影禁止なのでスマホを転写しました。
      (古澤厚子さん 記)
       
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      お寺の屋根の反りと桜の枝の反り、
      芽柳の直線美と桜の曲線美、

      どちらの共演も見事ですね。
       
      厚子さん、ありがとうございました!
       

      「大津・本丸句会」(第55回)

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        ☆3月28日(火)「大津・本丸句会」が開かれました。
           一村葵生さんから「句会だより」が送られてきましたのでご報告します。
         
         
        ☆田島和生主宰 後日選(◎印特選)       
         
         
        ◎ 繰り言の母の寝入りぬ木の芽雨     西村千鶴子
         
        ◎ 考ふる人の緑青春寒し          北嶋八重
         
        ◎ 春光や百町市の幟立ち          竹内悦子
         
        ◎ テントより春雨伝ふ弘法市        中蔵みづほ
         
         湖にまだ釣人や春入日           馬場千香子
         口中に十二の乳歯風光る          安藤えいじ 
         白梅や暗きに笑まふ弥勒仏         北嶋八重
         轍より軽トラの撥ね春の泥         安藤照枝
         中腹に宝輪光り山笑ふ            北嶋八重
         ふはふはの弥生の畦を子が二人     安藤照枝
         畦に沿ひ田搔の曲がる耕耘機       安藤えいじ
         波来ればころがりゆけるがうなかな    熊村あけみ
         水先は暗渠へつづき芹の花        西村千鶴子
         初蝶を追つてふはふは畦駆くる       安藤照枝
         げんげ田に赤き二輪車置かれあり    安藤えいじ
         一力に三味線弾けり大石忌        北嶋八重
         モンローのやうな括れや雀蜂       筧 ゆき
         自転車に菜の花を乗せ野良帰り     熊村あけみ
         笛吹けば羊追ふ犬風光る         安藤照枝

         
           
        ☆ 大津本丸句会のご案内  10時30分〜12時30分
               
        4月25日(火) 大津生涯学習センター 301号室

        5月23日(火) 大津生涯学習センター 301号室

        6月27日(火) 大津生涯学習センター 301号室

        7月25日(火) 大津生涯学習センター 301号室
         

        葵生さんが、「欅の高い枝に古巣をみつけました。烏の巣のようです。」
        というコメントを添え、写真をお送りくださいました。
         
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        鳥の巣2.JPG

        美しい春の雲、春の空ですね。枝が広がる欅の木は、巣構えがしやすいのでしょうか。
         
        今年の巣作りシーンも楽しみですね。
         
        葵生さん、ありがとうございました!
         

        「関西句会」(第173回)

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          ☆3月26日(日)アネックスパル法円坂において「関西句会」が開かれました。
           以下のとおりご報告します。
           
          ◇ 田島和生主宰 後日選 ( ◎ は特選 )
           
          ◎ 彼岸西風さざ波へ撒く鯉の餌      柴田 惠美子
           
          ◎ 剣豪の墓の傾き冴返る          北嶋 八重

           門々や見事なパンジー飾りあり      井上 基子
           酔ふ振りも凛と舞ふなり大石忌     北嶋 八重
           囀りや茶釜の謂れ聞きをれば      原 万代
           沈丁の香るや闇の深まれり       中野 はつえ
           山寺の読経のとだえ初音かな      柴田 惠美子
           うぐひすへ茶室の小石そつと踏む    原 万代
           声荒く巣組みの烏樟を立つ       柴田 惠美子
           消ゆるまで見届けゐたる春の虹     安藤 えいじ
           丘占むる五百羅漢や春の雲       古澤 厚子
           安産に昇る春月まんまるき        柴田 惠美子
           待ち合はすイタリアンカフェミモザ咲き 安藤 えいじ
           病む妻と牡丹餅を食ぶお中日       安藤 えいじ
           海峡の靄に現る目張舟          小谷 廣子
           水蹴つて空へ羽搏く帰雁かな      藤田 侃也
           校庭に巣箱をかけて卒業す       小谷 廣子
           
           
          ☆「関西句会」のご案内
            
          4月23日 (日)1時半〜  於:「アネックスパル法円坂」
           
          5月28日(日) 同上

           
          大阪城 梅林 三景 ↓ 【2月26日撮影:阪上 元さん】
           
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          京都御苑 近衛邸跡の糸桜(枝垂桜)二景 ↓ 【3月30日撮影:北嶋八重さん】
           
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           近衛邸跡の糸桜、私も観に行ってきました。↓ 【4月3日撮影:新谷亜紀】
           
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          いよいよ百花繚乱の春ですね。
           
          元さん、八重さん、ありがとうございました!
           

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