「大津・本丸句会」(第61回)

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    ☆9月26日(火)「大津本丸句会」が開かれました。
     一村葵生さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。
     今回も「主宰の一句」鑑賞、書いてくださいました。
     

     ★ 主宰の一句      
            
      鉄臭き貨車ゆつくりと草の花     田島和生
     いわゆる汽車と草の取り合わせには誓子の有名な句がある。けれども夏と秋の違いだろうか、あちらには鼻息の荒い感じがあり、作者が機関車に一体化している。対してこちらの貨車は「鉄臭き」と距離が置かれている。そうして同じく線路脇の雑草へ「ゆつくりと」静止するのだが、こちらの「草の花」にはどこか可憐な風情がある。
    (一村葵生) 
     
    ☆ 田島和生主宰選
    (◎印特選)
     
    ◎ 穴窯の火色確かむ夜寒かな      西村千鶴子
     
    ◎ 釣瓶落しつかのま空の朱の激し    熊村あけみ
     
    ◎ 色鳥のひらめき移る梢かな      一村葵生
     
    ◎ しもた屋の読経の鉦や秋すだれ    山本和生
     
    ◎ ふるさとや塀より高く実南天      熊村あけみ

    バス停の前十坪ほど稲の秋        吉田 孟
    鳥影の黒く掠める秋の水         馬場千香子
    妻の名はミドリと申す米寿かな      山本和生
    鮎落ちて雨後の流れのいや迅し     西村千鶴子
    正門はいつも閉ざされ昼の虫       馬場千香子
    朝靄の田面を這ふや威銃          熊村あけみ
    草の絮水に落つるやつと走り        一村葵生
    固まつて落穂啄む鳩の群         馬場千香子
    満天の星のまたたき虫時雨        一村葵生
    桜の樹ばかりの社小鳥くる         竹内悦子
    星飛んでまたの世ありと思ふなり     熊村あけみ
    蜻蛉やはやばや点る常夜燈         西村千鶴子
    嵐去り萩のこぼるる道明かし        井上美恵子
    秋落暉水平線の波静か          竹内悦子
    一夜(ひとよ)して田畑一面秋出水     山本愛次
    小流れの両側を占め曼珠沙華      馬場千香子
    近道の暗き境内虫しぐれ         北嶋八重
    門閉ざししばし佇む虫の闇        北嶋八重
    天空の城は秋風蕭々(しょうしょう)と   山田流水
    二の腕の手の温もりや萩の雨       向平真由美
    五百羅漢群るる竹林秋気かな        安藤えいじ
    秋澄みて東寺の鐘のちかぢかと      西村千鶴子
    引売の真鰯光る棹秤            安藤照枝 
    いつの間に無人駅舎や葛の花        熊村あけみ
      
      
    ★ 大津本丸句会のご案内  10時30分〜12時30分
     
    10月24日(火)大津生涯学習センター 201号室
    11月28日(火)大津生涯学習センター 201号室
    12月26日(火)大津生涯学習センター 303号室 
     1月23日(火)大津生涯学習センター 201号室

     
    北嶋八重さんが「近江八幡」の写真と解説をお送りくださいました。
    以下にご紹介します。
     
    <近江八幡>
     近江八幡は、天正13年(1585年)、豊臣秀吉が城と町を築き、甥の豊臣秀次が城主となりました。城下には、信長によって安土に集められた多くの商人たちが移住し、商業都市としてにぎわいました。徳川時代になると幕府直轄の天領として治められ、城下の商人は幕府の通行手形を手に、全国を商いして回りました。これが近江商人の中核をなす八幡商人の誕生です。
    ​ 9月末の秋の深まりゆく一日、観光ボランティアガイドさんの案内で、当時の面影が残る町並みを散策してきました。
    (北嶋八重さん 記)

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     新町通

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     八幡堀

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    ​八幡堀巡り

    美しい家並にも川辺にも、八幡商人の精神が宿っている感じがしますね。
     
    八重さん、ありがとうございました!
     

    「関西句会」(第179回)

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      ☆9月24日(日)アネックスパル法円坂において「関西句会」が開かれました。

        安藤えいじさんから句会報が送られてきましたのでご報告します。

       
      田島和生主宰 選 (◎印 特選)
       
      ◎ 色変へぬ老松の幹大うねり    小谷 廣子
       
      ◎ 朽藁をぬけ蟋蟀の眸のひかり   坂上 元
       
      ◎ 木曽路より眺むる富士や秋澄めり 北島 八重

      雨の月ほのかに白みおびてをり    井上 基子
      弁当に追へども集(たか)る秋の蠅   大西 トヨ子
      一心に玻璃戸をを磨く白露かな    北島 八重
      遣り水にはたはた胸にとびつきぬ   井浪 千明
      和太鼓打つ桴(ばち)高々と月今宵   古澤 厚子
      秋彼岸薬師如来にパック酒       古澤 厚子
      道なりに鹿垣めぐる室生口       坂上 元
      声高に争ふ鴉野分雲          柴田 恵美子
      竹箒買ひて担ぐや秋うらら        北島 八重
      月光や湯屋より戻る峡の宿       柴田 恵美子
      同じ月離れ離れに見てゐたり     安藤 えいじ
      小流れの岩に堰かれて瓜の馬     藤田 侃也
      門灯にすがる馬追みどり透く     藤田 侃也
      金風や磨き丸太の艶増して      小谷 廣子
      ミサ歌ふチャペルの窓に祈り虫    安藤 えいじ
       

      ☆「関西句会」のご案内
        
       10月22日 (日)1時半〜  於:「アネックスパル法円坂」

        
      <糺の森の小川>
       糺の森は、下鴨神社の境内に広がる原生林です。かつてこの一帯が山城国と呼ばれていた頃の植物相を留め、約40種・4,700本の樹木が生育し、賀茂川と高野川に挟まれるように南北に細長く広がっています。古くは『源氏物語』や『枕草子』にも謳われ、今も人々に憩いを提供する史跡となっています。
       森を流れる小川は4つあり、それぞれ御手洗川・泉川・奈良の小川・瀬見の小川と名付けられています。御手洗川は湧水のある御手洗池を水源としています。糺の森の東側を流れる泉川は、高野川の支流です。奈良の小川は御手洗川に泉川の流れの一部が合流したもので、賀茂川の支流である瀬見の小川に取り込まれ、森の中央を流れています。(北嶋八重さん 記)
       
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      御手洗社

      御手洗池で水占いをする人.JPG
      御手洗池で水占いをする人

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      御手洗川
       
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      泉川
       
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      奈良の小川
       
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      瀬見の小川
       
      4つの小川それぞれの風情がありますね。
       
      いずれも秋の水を湛え爽やか。
       
      八重さん、ありがとうございました!
       

      京都あけぼの句会 第75回(9月)

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        ☆9月20日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
         北嶋八重さんから句会報をお送りいただきましたので、以下にご報告します。
         
        ☆主宰の一句
         
        糊引いて本を繕ふ星月夜  田島和生
         
         この日の主宰の選評の中に、次のような言葉があった。
        「俳句は、まずは季語の選択が大事。そして、作者を客観的に詠むことで普遍性をもたせ、読み手を納得させることができる。」 掲句は、まさにそのお手本。愛蔵の書をていねいに繕う作者の姿が見え「星月夜」が揺るがない。 もう一句。「さみどりを愛で粒を愛でマスカット」
        (新谷亜紀)
         
         ★ 田島和生主宰 選(◎は特選)

        ◎糊利きし白きワイシャツ涼新た      今井 淨子
                
        ◎橋立の潮枯れの松去ぬ燕         小谷 廣子
                  
        ◎腰下す廃寺の石のうそ寒し        居相 みな子

        凌霄の支柱もろとも倒れたり         一村 葵生     
        息切らす馬籠の坂の秋暑かな         北嶋 八重
        昼の虫ひとすじ光る沢潦           小谷 廣子
        宴果て頬に夜風や虫すだく          大前美智子
        地蔵盆菓子待つ膝の並びをり        田子カンナ
        木洩れ日のきらめく川面秋の風        大前美智子
        刻々と黒雲動き台風来            一村 葵生
        毬栗の落ち藁しべにまみれたる        新谷 亜紀
        新涼や甘き香放つ杉丸太           小谷 廣子
        一人旅無人駅舎の月見草           田子カンナ
        古刹へと険しき道や法師           居相みな子
        仁王門斧振り上ぐるいぼりむし        安藤えいじ
        磨かれて丸太の匂ふ良夜かな        小谷 廣子
        大根蒔く久方振りの夜の雨          田子カンナ
        秋澄むや池塘に映る嶺の影          北嶋 八重
        靴裏で剥く貝塚の鬼胡桃           林  杉子
        道鏡の塚へ逃げくる稲雀           小谷 廣子
        花木槿落ちて箒目乱れけり          今井 淨子
        山頂は馬の背の形天高し           北嶋 八重
        山際へ台風の雲現はるる           一村 葵生
        飛火野の雨の芝草雨の鹿           阪上  元
        吹つ切れしごとくぬた場を鹿立てり      阪上  元
         
        ☆「京都あけぼの句会」のご案内 いずれも午後2時〜5時
           
         10月18日(水 )  東山いきいきセンター 101号室
         11月15日(水) 東山いきいきセンター 101号室
         12月20日(水) 東山いきいきセンター 101号室

         
         北嶋八重さんが馬籠宿の写真と解説をお送りくださいました。
          以下にご紹介します。
        馬籠宿
         馬籠宿は、中山道43番目の宿場で、木曽11宿の一番南の宿場町です。
         かつては長野県山口村に属しましたが、2005年の山口村の越県合併により岐阜県中津川市に編入されました。石畳の坂の街道は、今も江戸時代の面影が残り、両側に土産物屋がならび、商いをしていない一般の家でも当時の屋号を表札にかけるなど、史蹟の保全と現在の生活とを共存させています。本陣跡に、島崎藤村の生家と藤村記念館があります。(北嶋八重さん 記)

         
        馬籠1.JPG

         
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        江戸時代の面影の中にどこか懐かしい風情を感じるのは、「史蹟の保全と
        現在の生活とを共存」されているからなのですね。
         
        八重さん、ありがとうございました!

         

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