☆9月26日(火)「大津本丸句会」が開かれました。
一村葵生さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。
今回も「主宰の一句」鑑賞、書いてくださいました。
一村葵生さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。
今回も「主宰の一句」鑑賞、書いてくださいました。
★ 主宰の一句
鉄臭き貨車ゆつくりと草の花 田島和生
いわゆる汽車と草の取り合わせには誓子の有名な句がある。けれども夏と秋の違いだろうか、あちらには鼻息の荒い感じがあり、作者が機関車に一体化している。対してこちらの貨車は「鉄臭き」と距離が置かれている。そうして同じく線路脇の雑草へ「ゆつくりと」静止するのだが、こちらの「草の花」にはどこか可憐な風情がある。
(一村葵生)
☆ 田島和生主宰選(◎印特選)
◎ 穴窯の火色確かむ夜寒かな 西村千鶴子
◎ 釣瓶落しつかのま空の朱の激し 熊村あけみ
◎ 色鳥のひらめき移る梢かな 一村葵生
◎ しもた屋の読経の鉦や秋すだれ 山本和生
◎ ふるさとや塀より高く実南天 熊村あけみ
バス停の前十坪ほど稲の秋 吉田 孟
鳥影の黒く掠める秋の水 馬場千香子
妻の名はミドリと申す米寿かな 山本和生
鮎落ちて雨後の流れのいや迅し 西村千鶴子
正門はいつも閉ざされ昼の虫 馬場千香子
朝靄の田面を這ふや威銃 熊村あけみ
草の絮水に落つるやつと走り 一村葵生
固まつて落穂啄む鳩の群 馬場千香子
満天の星のまたたき虫時雨 一村葵生
桜の樹ばかりの社小鳥くる 竹内悦子
星飛んでまたの世ありと思ふなり 熊村あけみ
蜻蛉やはやばや点る常夜燈 西村千鶴子
嵐去り萩のこぼるる道明かし 井上美恵子
秋落暉水平線の波静か 竹内悦子
一夜(ひとよ)して田畑一面秋出水 山本愛次
小流れの両側を占め曼珠沙華 馬場千香子
近道の暗き境内虫しぐれ 北嶋八重
門閉ざししばし佇む虫の闇 北嶋八重
天空の城は秋風蕭々(しょうしょう)と 山田流水
二の腕の手の温もりや萩の雨 向平真由美
五百羅漢群るる竹林秋気かな 安藤えいじ
秋澄みて東寺の鐘のちかぢかと 西村千鶴子
引売の真鰯光る棹秤 安藤照枝
いつの間に無人駅舎や葛の花 熊村あけみ
★ 大津本丸句会のご案内 10時30分〜12時30分
10月24日(火)大津生涯学習センター 201号室
11月28日(火)大津生涯学習センター 201号室
12月26日(火)大津生涯学習センター 303号室
1月23日(火)大津生涯学習センター 201号室
北嶋八重さんが「近江八幡」の写真と解説をお送りくださいました。
以下にご紹介します。
<近江八幡>
近江八幡は、天正13年(1585年)、豊臣秀吉が城と町を築き、甥の豊臣秀次が城主となりました。城下には、信長によって安土に集められた多くの商人たちが移住し、商業都市としてにぎわいました。徳川時代になると幕府直轄の天領として治められ、城下の商人は幕府の通行手形を手に、全国を商いして回りました。これが近江商人の中核をなす八幡商人の誕生です。
9月末の秋の深まりゆく一日、観光ボランティアガイドさんの案内で、当時の面影が残る町並みを散策してきました。
(北嶋八重さん 記)
新町通
八幡堀
八幡堀巡り
美しい家並にも川辺にも、八幡商人の精神が宿っている感じがしますね。
八重さん、ありがとうございました!