京都あけぼの句会 第77回(11月)

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    ☆11月15日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
     北嶋八重さんから句会報をお送りいただきましたので、以下にご報告します。
     
               
    ☆ 主宰の一句
     
    枯崖を打つて音なく浪退(ひ)けり    田島 和生
     
      コートの襟を立て、一人枯崖に立っておられる主宰の姿が見える。眼下に打ち寄せる荒波は激しくしぶきを上げ砕け散る。そして、静かにゆるやかに退いてゆく。荒涼とした冬の海が迫ってくる。
    ​  もう一句。「荒磯海遠き連嶺雪を載せ」
    (新谷亜紀)

    ★ 田島和生主宰 選(◎は特選)

    ◎ 城山は雲に浸りて冬の雨         一村 葵生
     
    ◎ 石組の砲台の跡蔦枯るる         北嶋 八重
     
    ◎ 茹で卵買ふ列に入り冬ぬくし       新谷 亜紀
     
      赤膚焼奈良絵の壺や小鳥来る              小谷 廣子
      手のぬくみ頬で確かめ冬隣         新谷 亜紀
      樫の実の堆くある裏鬼門            今井 淨子
      吾亦紅活けて茶室の広きかな       新谷 亜紀
      参道の落葉一途に媼掃き           大前美智子
      黒雲の湖面に落ちてしぐれけり      中蔵みづほ
      老鹿の群をはなるる初時雨          田子カンナ
      休め窯開けて繕ふ鵙日和           小谷 廣子
      一斉に散る葉や鳥の群るるごと       一村 葵生
      絵硝子に薄日差し込む小春かな      北嶋 八重
      遠山に遍き夕日柿熟るる             田子カンナ
      鳶一羽いづこかへ去り秋の空        山田 流水
      押し出してまだまだ押して子供相撲    中蔵みづほ
      高下駄の素足に鳴りて冬うらら       林 杉子
      裏山に鵙の高音や休め窯          小谷 廣子
      立冬や軒まで薪の堆し              安藤えいじ
      山風の走る御寺や木の葉舞ふ       居相みな子
      笹鳴きや道より逸れし山の寺        大前美智子
      長病みのひと日無口な暮の秋       新谷 亜紀
      渡し場にひとり待ちゐる暮秋かな     北嶋 八重
      山寺の参道塞ぎ萩は実に          居相みな子
      手を合はす御堂に木の葉ふりしきる    林 杉子
      黄落の幹の樹液の涸れゐたり        一村 葵生
      木枯や小鳥の声を攫(さら)ひける     安藤えいじ

     
    ☆ 京都あけぼの句会のご案内 東山いきいきセンター 午後1時半開始
     
        平成29年12月20日(水)101号
     
        平成30年 1月17日(水) 101号
                 2月15日(水) 101号          
                
                
     北嶋八重さんが「常照寺」の写真と解説をお送りくださいました。
       以下にご紹介します。         
    <洛北鷹峯 常照寺>
     常照寺は本阿弥光悦が徳川家康より拝領した光悦村の一部で、本阿弥光嵯は久遠寺・日乾を招いて、法華の鎮所を建立しました。これが、常照寺の前身です。その後、日蓮宗の檀林(鷹峰檀林)開かれ、最盛期には学僧200余人が学んでいたとの記録が残されています。寛永(1624-44)のころ、六条三筋町の2代目吉野太夫が帰依し、朱塗りの山門を寄進しました。これが現存の吉野門で、吉野太夫の墓や太夫ゆかりの茶室遺芳庵があります。
     毎年4月第2日曜に行われる吉野太夫花供養や紅葉の名所として知られています。
    (北嶋八重さん 記)
     
    コピー (1) 〜 吉野太夫寄進の山門.JPG
    吉野太夫寄進の山門

    帯塚.JPG
    帯塚
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    本堂

    境内の紅葉.JPG
    境内の紅葉

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    遺芳庵茶席

    ​吉野太夫ゆかりの山門は、心なしか艶やかに見えますね。
     
    八重さん、ありがとうございました!

    「大津・本丸句会」(第62回)

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      ☆ 10月24日(火)「大津本丸句会」が開かれました。
        一村葵生さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。

       
       ★ 主宰の一句     
        
      草引きの手へはたはたの子の飛び来   田島 和生  
        庭の草引きがたいへんでと主宰がおっしゃるので、除草剤でも撒かれたらと申し上げると、除草剤だとほら虫が全部死んでしまうからだめだわ、とのこと。そういう主宰であればこそ、バッタの子も飛んで来るのであろう。子どもの頃は蛙を飼われていたそうで、なんでまた蛙などと凡なる弟子のわたしなどは思うのだが、主宰はかわいいねとおっしゃる。(もう一句。仏前へ熟柿の落ちてこはれざる)
      (一村葵生) 

       ☆ 田島和生主宰 選(◎印 特選)
       
      ◎ 柚子匂ふ手に抱き上ぐる赤ん坊    西村千鶴子
       
      ◎ 母の忌の近づく一日障子貼る     筧 ゆき
       
      ◎ 巻網船月影さやに帰り来る       安藤えいじ
       
      ◎ 赤い羽根胸に畏友の七回忌      吉田 孟
       
      ◎ 来島の海光に照る熟柿かな      西村千鶴子

       皺の手の重さ確かむ今年米         安藤照枝
       台風の去りし北空低き虹         一村葵生
       漆黒の闇の底ひを鹿の声        熊村あけみ
       秋深し読みたき本の溜まりたる     竹内悦子
       姿見に襟元正しそぞろ寒          安藤えいじ
       鬼灯の枯れて今なほ己が色        山田流水
       冷まじや羅漢の顔のずんべらばう    安藤えいじ
       菊御膳武将の眠る寺に座し       筧 ゆき
       穏やかな地鳴きもありぬ番鵯      吉田 孟
       尻餅を突く子どんぐり手放さず      安藤えいじ
       野菊摘む野菊の如きわが妻や      山田流水
       等伯の松のごとしや霧ぶすま      吉田 孟
       本堂に子らの足音夜の長き        前田かよ子
       吉報のやうに通草の実をつけし     熊村あけみ
       転居先門に貼りある牽牛花       西村千鶴子
       鵯の波状にとべり角櫓          西村千鶴子
       暴風雨極みてパシと物の音       一村葵生
       ソーランのこぶし空突く子らの秋    向平真由美
       百年の駅の改装小鳥来る        安藤照枝
       蕎麦の花山際の風吹きやまず      熊村あけみ
       落葉搔く音に目覚むる故郷かな     馬場千香子
       小鳥来る木地師の家の透し窓      山本和生
       秋の夜の心音聞きつ寝入るかな     熊村あけみ
       
        
      ★ 大津本丸句会のご案内  10時30分〜12時30分
       
      11月28日(火)大津生涯学習センター 201号室

      12月26日(火)大津生涯学習センター 303号室 

       1月23日(火)大津生涯学習センター 201号室

       
      omiwa.jpg
      大神神社より大和三山を望む
       

      京都あけぼの句会 第76回(10月)

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        ☆10月18日(日)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
          北嶋八重さんから句会報をお送りいただきましたので、以下にご報告します。
         
        ☆主宰の一句
         
        石垣のひとつは仏烏瓜    田島 和生
         
          どこかのお城かお寺の石垣を巡っておられた主宰は、その一つに「石仏」を見つけられた。ありがたいお気持ちのところへ、さらに石垣には烏瓜がひとつ、目にしみるような朱さでぶらさがっていた。印象鮮明な一句。会のメンバーによると、大和郡山には「逆さ地蔵」の石垣もあるそうだ。こんな景に私もいつか出逢ってみたい。もう一句。「酔芙蓉をりをりゆらぎ暮れゆけり」
        (新谷亜紀)
         
        ★ 田島和生主宰 選(◎は特選)
         
        ◎ 笑栗の羅漢に跳ねてはじけたる    居合みな子
         
        ◎ 壺に挿す尾花に土の匂ひかな     今井 淨子 
                                    
        ◎ 秋祭児ら担ぎ来る花みこし       居相みな子   
          
         福耳の飛鳥大仏豊の秋       北嶋 八重
         書店出で都大路に桐一葉      今井 淨子
         手庇の大和青垣柿熟るる      田子カンナ
         露けしや古墳に薄き天文図     北嶋 八重
         芭蕉墓訪ね近江の秋惜しむ     小谷 廣子
         古寺の築地に溢れ酔芙蓉      新谷 亜紀
         箱罠にたんと糠撒き秋深し      阪上 元
         末枯れのひかりこぼるる雨しづく  小谷 廣子
         灯火親し古書の戦記を抱へ読む  新谷 亜紀
         天空の色なき風や城の跡      山田 流水
         秋天や赤白雑(ま)じる籠の玉    安藤えいじ
         稲稔る棚田に空の広がりぬ     北嶋 八重
         破蓮や鷺首伸ばし魚狙ふ      大前美智子
         雲抜けてゆつくり昇る望の月    大前美智子
         色変へぬ松や城下の築地越し   北嶋 八重
         隣家との境目消ゆる秋桜      今井 淨子
         アンテナに物見の鴉鰯雲      今井 淨子


        ☆ 京都あけぼの句会のご案内
         
          東山いきいきセンター  午後1時半開始
         
            平成29年11月15日(水)101号
         
                   12月20日(水)101号     
                    
                    
         北嶋八重さんが「明日香村」の写真と解説をお送りくださいました。
          以下にご紹介します。         
        <明日香村>
         10月半ばの秋晴れの日、古代史の舞台、飛鳥を訪ねるツアーに参加しました。コースは、キトラ古墳・壁画体験館「四神の館」→高松塚古墳・壁画館→飛鳥寺→藤原宮跡。石室内の壁画は、平成22年までに取り外され、修理作業が実施さていましたが、平成28年に終了しました。幸いにもキトラ古墳壁画保存管理施設で、石室内の実物の壁画<西壁(白虎)天井(天文図)>を鑑賞することができました。
         「飛鳥寺」では、日本最古の大仏、飛鳥大仏と境内を、ご住職に案内していただきました。飛鳥大仏撮影の許可をいただきました。「藤原宮跡」では、大和三山を背景に約300万本のコスモスが風に揺らぐ中を散策してきました。
        (北嶋八重さん 記)
         
        高松塚古墳.JPG
        高松塚古墳

        飛鳥寺.JPG
        飛鳥寺

        飛鳥大仏.JPG
        飛鳥大仏

        蘇我入鹿の首塚.JPG
        蘇我入鹿の首塚

        藤原宮跡のコスモス.JPG
        藤原宮跡のコスモス

        爽やかな秋空の下、古代ロマンに浸れそうですね♪
         
        八重さん、ありがとうございました!
         

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