京都あけぼの句会 第83回(5月)

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    ☆ 5月16日(水)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。

      北嶋八重さんから句会報をお送りいただきましたので、以下にご報告します。
     

    ★主宰の一句
    郭公や旅の靴紐締むるとき   田島和生
           
     旅の途上。主宰は「さあ、次の目的地へ!」と、靴紐を締め直された。そのとき、「カッコー」のひと声が。旅愁と心の開放が伝わってくる。葵生さんがこの句について「郭公の声によって空間的広がりを感じる」と評された。なるほど、言い得て妙。
      もう一句、「貝がらの卯波退くとき鳴りにけり」
     (新谷亜紀)
     
    ☆ 田島和生主宰 選 (◎は特選

    ◎ 紅白の餅の撒かるる山開    小谷廣子

    ◎ 子燕の黄色き口の押し合へり  安藤えいじ

    ◎ 墨打ちの一糸浮き出し薄暑光  安藤えいじ

    ◎ 竹咲くや米粒ほどのうすみどり 新谷亜紀
     
    山の水引きし代田に山の影     北嶋八重
    鍔広き帽子深めに夏めきぬ     安藤えいじ
    碧眼の猫と目が合ふ夕薄暑     田子カンナ
    庭先に今朝も青梅又落ちぬ     居相みな子
    土砂降りのひねもす母の日なりけり 小谷廣子
    御仏の眼光るや青時雨        大前美智子
    白馬尾を振つて祭列しずしずと   一村葵生
    渡し舟漕ぎ出す岸の茂りかな    新谷亜紀
    馬鈴薯(いも)の花手押しポンプの水光る 林 杉子
    井戸端の小さき祠や苔の花     熊村あけみ
    雨に急(せ)く寺の抜け道額の花   居相みな子
    牡丹の花粉まみれの虫飛べり    居相みな子
    しろがねの鮎の遡上の大しぶき     小谷廣子
    尾びれまで風の満ちをり鯉のぼり  新谷亜紀    
    迷ひ子の抱つこの重き菖蒲の日   林 杉子
    林間を騎射の駆け抜け風みどり   北嶋八重
    桐の花春日の森のしじまかな       林 杉子
    柿若葉善良さうな巡査来る       熊村あけみ
    児のことば又一つ増え夏来る    北嶋八重
    帰宅許可の妻に封切る新茶かな   安藤えいじ
    地に低く捩れる幹や苔の花      居相みな子
    塀を這ひ日にてらてらと蔦若葉   大前美智子
    初夏の雨散らし仔犬の胴ぶるひ   新谷亜紀

     
    ★ 京都あけぼの句会のご案内

        東山いきいきセンター  午後1時半開始
        
        平成30年 6月20日(水)101号
                7月18日(水)101号
                8月 1日(水)101号
             
     
    ☆  北嶋八重さんが、「葵祭」の写真と解説をお送りくださいました。
        以下にご紹介します。
    <葵祭の斎王代>
     葵祭の行粧のヒロインの斎王代は、斎王の代わりという意味で、本来は賀茂の神に仕える斎王と呼ばれた皇女のことです。平安時代初期、嵯峨天皇の皇女を初代として代々天皇の内親王が務め、鎌倉時代、後鳥羽天皇の皇女が退下するまで四百年間、三十五代の斎王が賀茂の神に仕えてきました。斎王は賀茂の斎院に移り住み、祭儀や賀茂祭に奉仕しました。その斎院は紫野辺りにあったそうですが、応仁の乱で焼失しました。斎王代が主役となっての葵祭の歴史は、それほど古いものではなく、幕末、太平洋戦争末期に祭が途切れたことがあり、戦争中から戦後にかけての中断から昭和28年に復活し、昭和56年になって斎王代が登場し、今年で第三十六代の斎王代となります。
     下鴨神社第三十四回式年遷宮を機に、この春、歴代の斎王をお祀りする社「歴代斎王霊社」が、糺の森の馬場に建立されました。5月15日の今年の葵祭の祭列と腰輿に坐す斎王代は、新しい社から歴代の斎王たちに見守られるかのように、静かに糺の森の新緑の中を進み、本殿へと向かいました。
       (北嶋八重さん 記)
     歴代斎王神霊社
     


     
     葵祭の祭列
     
     輿の斎王代
     
     斎王代の牛車
     
    さわやかな緑蔭の祭列、たしかに「風みどり」を感じますね。

    新社の「歴代斎王霊社」ぜひ訪ねてみたいです。

    八重さん、ありがとうございました!
     

    「大津・本丸句会」(第68回)

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      ☆ 4月24日(火)「大津本丸句会」が開かれました。
        一村葵生さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。
        作成は吉田孟さんが担当してくださったそうです。

       
       ★ 主宰の一句         
        
       白牡丹内へ内へと紅を足し   田島和生 
       「白牡丹といふといへども紅ほのか」という虚子の有名な句がある。この句などはものをよく見て写生することの手本のような句である。白牡丹のほのかな紅の上にさらに何が発見できるか。主宰の句はそれを見出したところに成った。白牡丹のほのかな紅は、幾重にも重なる花びらの内へいくほど「紅を足し」ているのであった。
       もう一句。「繻子光りして花反らす紅牡丹」
        (一村葵生)
       
      ☆ 田島和生主宰選(◎印特選)

      ◎高僧の法話遠のく目借時     筧 ゆき
       
      ◎惜春や旅信したたむ木の駅舎  西村千鶴子
       
      ◎水郷の舟のさきざき夏燕     青木陽子
       
      アーモンドの種植ゑし朝寒戻る 井上美恵子
      春昼の厨に子供シェフ二人      筧 ゆき
      一山の一寺閉ざされ春の逝く  西村千鶴子
      日は高く戻せ戻せと荒神輿      一村葵生   
      春宵やただ酌み交はす父と子と 井上美恵子    
      影淡き湖畔の松や花曇        安藤えいじ     
      湖暮れて風の置き去る花筏    安藤照枝       
      春暖炉蕎麦をすすりて山男   竹内悦子     
      かくれんぼ枝垂桜の傘のなか  前田かよ子      
      山笑ふ天橋立股のぞき         山田流水  
      鳶の声わたる山すそ初蕨      筧 ゆき
      蹲踞に羽霧る番明易し          青木陽子  
      島ひとつ置きみづうみの朧かな 熊村あけみ   
      伐られたる新樹の樹液幹伝ふ   一村葵生  
      たちまちに君の朱唇へ飛花落花 安藤えいじ         
      ちりぢりに城下花散るそこかしこ  吉田 孟
      お茶室へ誘ふ小径花篝        筧 ゆき
      火縄銃吊せる市や春埃        山本和生
      光る風幟の高くひるがへり     一村葵生     
      花黄楊に鳥のきてゐる日和かな 西村千鶴子    
      化粧牛市にずらりと桃の花     山本和生
      遠乗りのハーレーの列風ひかる 熊村あけみ
      けんけんの子や連翹の花明り  西村千鶴子
      枕経の僧の白足袋春の泥      山本和生
      口紅の常より濃きかリラの花     安藤えいじ
      老猫に七種ワクチン桃の花   吉田 孟
      春深し宴のあとの庭の闇      竹内悦子
      のどけしやさあてと母のひとり言 前田かよ子
      花冷や胸から背へ聴診器      安藤えいじ
      警策を壁に立て掛け春深し    安藤えいじ
      あかあかと浄土あらはる春落暉 熊村あけみ
      まんまんと水の近江や桜散る   熊村あけみ  
       
       
       ★ 大津本丸句会のご案内  10時30分〜12時30分

      5月29日(火)大津生涯学習センター 201号室
      6月26日(火)大津生涯学習センター 201号室
      7月24日(火)大津生涯学習センター 301号室     
               
      ☆ 一村葵生さんが「日向大神宮」の写真とコメントをお送りくださいました。
        以下にご紹介します。
              
       インクラインの上の端で疎水を渡り、東山に入って急な坂道を上っていくと日向大神宮がありました。境内はひっそりとして時折青葉風が吹きすぎ、初夏の心地よい日差しがふりそそいでいました。鶯の音が透きとおり、都大路の賑わいとは別世界。京都というのは懐の深い街だと感じました。帰りに外国人の若い二人連れが登ってきて、こんなところにと驚かされました。
        (一村葵生さん 記)
       


       


       


       


      少し鄙びた神社に、青葉若葉が鮮やかに映えていますね。

      葵生さん、ありがとうございました!
       

      「関西句会」(第185回)

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        ☆4月22日(日)アネックスパル法円坂において「関西句会」が開かれました。
         北嶋八重さんから句会報が送られてきましたのでご報告します。
         
         開きつつ牡丹は淡き影重ね      田島和生
         
         みづうみは大きな鏡初燕        田島和生

        ◇ 田島和生主宰 選 (◎印特選)

        ◎ 白山の霊水を汲み春惜しむ       北嶋八重
         
        ◎ 我が影に怯ゆる間歩や灯の朧     井浪千明

         ネオンの灯水面に揺るる春の宵    藤田侃也
         尻ふって蜜吸ふ蜂のあえかなり     中野はつえ
         打たせ湯の当たる首筋木の芽風    大西トヨ子
         阿羅漢の山や春筍一寸ほど      小谷廣子
         廃坑に翡翠色なる苔茂る        中野はつえ
         春潮の荒磯に拾ふ忘れ貝       北嶋八重
         心経を唱ふ三筋の滝の前       中野はつえ
         花明り枝にベレーの掛りをり       安藤えいじ
         半蔀(はじとみ)をあげて御殿の春障子 古澤厚子
         あるなしの風に揺られて藤の花    藤田侃也
         花冷や墨かすれたる双龍図      小谷廣子
         銀山の廃坑めぐり春惜しむ       井浪千明
         黒々と大き山蟻穴を出づ         柴田惠美子
         奥の千本谷の底より花吹雪      小谷廣子

        ☆「関西句会」のご案内
          
         5月27日 (日)

         6月24日(日)いずれも1時半〜
                  於:「アネックスパル法円坂」

          
          北嶋八重さんが「東尋坊」の写真とコメントをお送りくださいました。
         以下にご紹介します。
        東尋坊(福井県坂井市三国町)
         日本海の荒波が生み出した険しい絶壁の東尋坊は、荒々しい岩肌の柱状節理が1kmに渡って続き、国の名勝・天然記念物に指定されています。中でも岸壁の高さが20メートル以上に及ぶ断崖は勇壮で、荒波が打ち寄せるさまは、豪快で 迫力がありました。絶壁の階段を怖々下りて、遊覧船で海からの東尋坊も眺めてきました。
         「東尋坊」の由来は、昔、平泉寺に東尋坊という僧がいて悪事をつくしていたので、他の僧たちにより、高い岩壁から海に突き落とされ、命を落としました。以来、毎年東尋坊が落とされた4月5日は「坊の怨念」で烈しい風が吹き、海水が濁り、荒波が立ち、雷鳴が起こったという言い伝えからその名がついたとのこと、今回訪れて初めて知りました。日本海に沈む夕陽が、とても綺麗でした。
         (北嶋八重さん 言)
         東尋坊
         
         海からの東尋坊
         
         雄島
         
         思案橋と元遊郭街

        切り立った柱状節理、迫力がありますね!
         
        「東尋坊」のおどろおどろしい由来、初めて知りました。
         
        八重さん、ありがとうございました!

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