☆1月16日(水)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
林杉子さんから句会報をお送りいただきましたので、以下にご報告します。
★主宰の一句
心てふ文字へ火の点き吉書揚 田島和生
「どんど」とも「左義長」とも言われるが、「吉書揚」がいかにもふさわしい。書き初めの「心」という文字に点火され燃え上がる様が鮮やかに目に浮かぶ。今年こそ心を燃やす何かに(もちろん俳句も)打ち込みたい!そんな気持ちにさせてくれる名句。
もう一句「棟上げの木の香の甘き初霞」
(新谷亜紀)
☆ 田島和生主宰 選 (◎印は特選)
◎ 登校の児は一列に白マスク 居相みな子
◎ 嵐電の吊革と揺れ二日かな 北嶋八重
◎ 打つ音の軽やかなりし斧始 北嶋八重
自治会の餅搗く漢皆老いし 沢田清子
ひと息に顎まで浸かり柚子湯かな 新谷亜紀
七草のみどり数へて粥啜る 安藤えいじ
まつすぐに貫ぬく大路初景色 今井淨子
堂塔の仄かに浮かぶ初明り 田子カンナ
ポケットに君の手も入れ雪催ひ 新谷亜紀
添書を繰り返しよむ年賀状 青木陽子
股座の銃の手入れや狩の宿 安藤えいじ
初旅の磯の白波手に掬ひ 小谷廣子
薬喰とろとろ兆す眠気かな 一村葵生
思惟仏の顎の影濃き初灯明 北嶋八重
あらたまの亀甲深き男松 青木陽子
舗装路を跳ねつつ渡る寒鴉 一村葵生
にはたづみ水輪重なり時雨かな 北嶋八重
浪々と読み間違へて歌留多 田子カンナ
エプロンのままにごろ寝の三日かな 新谷亜紀
社員カード差し込み仕事始かな 安藤えいじ
振袖の二の腕白き弓始 小谷 廣子
対岸の枯蘆に在し水の神 林 杉子
母の読む残るかるたへ膝をつめ 林 杉子
樹齢千年裂目に雪の大銀杏 山田流水
人日の霊水に喉鳴りにけり 新谷亜紀
初晴や洋凧ばかり天にあり 安藤えいじ
千両の実のこぼれ散る苔の上 大前美智子
短日や小買物にて荷の重し 今井淨子
★ 京都あけぼの句会のご案内
東山いきいきセンター 午後1時半開始
平成31年 2月20日(水)101号
平成31年 3月20日(水)101号
平成31年 2月20日(水)101号
平成31年 3月20日(水)101号
☆ 北嶋八重さんが、「広隆寺 釿始め」の写真と解説をお送りくださいました。
以下にご紹介します。
広隆寺 釿始め(ちょうなはじめ)
一月二日、太秦の広隆寺では、「釿始め」の儀式が行われます。釿始め(手斧始め)は、中世から番匠と呼ばれた宮大工が建築の神とも言われる聖徳太子に一年の無事を祈願する儀式です。釿始めで使われる木が本堂前に運ばれる御木奉担が行われます。本堂前の神棚に鏡餅や五穀などの供物を飾り、烏帽子狩衣姿の番匠が蒔絵を施した儀式用の大工道具を使って測量、線引きなど所作を行います。また勢揃いした大工たちが、京木遣(きやり)を歌うなど、新年らしい晴れやかな行事です。「天つ白山」記載の主宰の句を紹介させていただきます。
岩 国
墨打つてはつつて手斧始かな 田島 和生
(北嶋八重)
芳しいご神木の香が伝わってくるようです。
神聖なお正月行事の景ですね。
八重さん、ありがとうございました!