☆9月18日(水)東山いきいきセンターにおいて「京都あけぼの句会」が開かれました。
林杉子さんから句会報をお送りいただきましたので、以下にご報告します。
☆主宰の一句
彈さながら熊蟬の頬掠めたる 田島和生
その名に「熊」を冠するように、黒色で大形の「熊蝉」。特有の「シャー」という鳴き声とともに、落ちざまにいきなり作者の頬を掠めたのか。「彈さながらに」に臨場感があり、作者の驚きと感動が伝わってくる。「彈」と「蟬」の字面も似通い俳味もある。
もう一句「宰相の畦のポスター案山子めき」
(新谷亜紀)
★ 田島和生主宰 選 (◎印は特選)
◎ 秋の蚊や如来を拝むま間もまとひ 北嶋八重
◎ 秋うらら大鯉の口寄せ合へり 小谷廣子
◎ 落日へ二三羽紛れ燕去ぬ 安藤えいじ
◎ 一笛に始まる能や月今宵 北嶋八重
彩りは葡萄五粒折弁当 阪本節子
児ら去(い)んで園は静かに秋の風 居相みな子
御局(おつぼね)様の電話の果てず虫時雨 田子カンナ
黄金虫箒の先へころがれり 大前美智子
志士たちの通ひし径や萩の花 山田流水
秋旱草も色褪せ山の畑 居相みな子
山寺へ小流れの音萩揺るる 居相みな子
秋高し城が住処の鷺一羽 山田流水
三陸の浜の匂ふや初秋刀魚 阪本節子
宇治川の波のおどるや黄鶺鴒 新谷亜紀
逃げ迷ふ鴉打ちたる雷雨かな 林 杉子
十五夜や琵琶抱へ乗る龍頭船 小谷廣子
水門は全開なりし秋出水 熊村あけみ
精米の土間の匂ふやちちろ鳴く 青木陽子
幼らと聞き分けてをり虫のこゑ 北嶋八重
爽爽(さわさわ)と数珠玉鳴るや天井川 熊村あけみ
無住寺の裏の井戸端蚯蚓鳴く 小谷廣子
天高し鴟尾の鳳凰翔るかに 新谷亜紀
月今宵社へ消ゆる猫白き 林 杉子
飛石に止まりかけては飛ぶ蜻蛉 安藤えいじ
針穴に赤糸とほす良夜かな 小谷廣子
葉の陰につひの一花や蓮の池 北嶋八重
★ 京都あけぼの句会のご案内
東山いきいきセンター101号
2019年 10月16日 (水)午後1時半〜
11月20日(水)午後1時半〜
2019年 10月16日 (水)午後1時半〜
11月20日(水)午後1時半〜
☆ 北嶋八重さんが、「廬山寺」の写真と解説をお送りくださいました。
以下にご紹介します。
以下にご紹介します。
廬山寺 紫式部邸宅址 (上京区寺町広小路上る)
廬山寺は、もとは平安時代前期に創建された天台宗圓浄寺系の本山で、京都の北、船岡山の山麓にあったと伝えられます。しかし、度々の兵火に遭い、1573年、豊臣秀吉の都市計画に従って、現在の場所に移りました。現在の廬山寺は、紫式部邸宅址として知られています。紫式部(藤原香子は、この邸宅で育ち、結婚生活を送り、一人娘の賢子を産み、長元四年(西暦1031年)59歳で死去したと言われます。「源氏物語」「紫式部日記」「紫式集」などは、ほとんどこの地で執筆され、名作ゆかりの史跡として、多くの人が訪れます。小さなお寺ですが、「源氏庭」と名づけられた庭には白砂が敷かれ、この時期、紫桔梗が、咲き群れていました。歩いてでも行ける距離ですが、桔梗の咲いている頃に訪れたのは初めてでした。しばらく縁に坐し、桔梗を眺めていると、残暑も忘れ、清々しい気分になりました。(北嶋八重さん 記)
廬山寺
源氏庭
紫桔梗
紫式部
紫桔梗が白砂に映えて美しい!
京都御所に近くて交通の便も良さそうですね。
10月の全国大会へおこしの皆さまも、ぜひお訪ねください。
10月の全国大会へおこしの皆さまも、ぜひお訪ねください。
八重さん、ありがとうございました!